今朝の「読売新聞」埼玉版をみて、びっくり仰天、あ然としました。
福島原発から200㎞もはなれている埼玉は放射性物質の汚染される可能性はきわめて低いといわれ、そういうみかたはは妥当性があるものとおもってきましたが、どうやらそうではないようです。
水と農産物の放射能汚染が深く静かに潜行しているようで、気がついたら知らぬは県民ばかり……という事態になりそうな気配です。
事実、4月の上旬に東飯能と熊谷の牧草地で高濃度の放射性物質が検出されており、安全圏ではないことが明らかになっております。
あれ、あれ、ちょっと待ってチョウダイよ……と仰天したのは、県は農産物について放射性物質の検査を放擲してしまっているという事実です。検査機関の手がまわらないという現実もあるようですが、そのまえに、まったくハナから検査する気がないようです。
とりあえず量的に多い品種について検査をしようというわけで、検査をおこなったのはハウス栽培のほうれん草のみ、それで埼玉の農産物は基準値以下などといっているのですから、恐れ入りやのなんとやら……です。
ハウスものが基準値以下なのはあたりまえの話。おどろいたことに露地ものの農産物についてはいっさい検査をやっていません。高濃度の数値が出るのが怖いからだというのですから、あきれ果てるじゃありませんか。
今後も検査をやるつもりはないようです。県はビビッているのです。もしダメだということになれば補償問題もからんでヤヤコシイことになるので、触らぬ神に祟りなし……を決めこむ腹づもりのようです。いかにも、小心者のお役人の考えそうなことです。
県民の健康をまもるという気など毛頭ありません。農協と農家に圧力をかけられて腰砕けになっているようです。なにもやらないことでもって、国と東電、農家の擁護にまわり、ひいては我が身の保身に走ってしまったのです。職務怠慢じゃないの。給料返せ…と、
だから埼玉の野菜はアブナイのです。安全ではありません。埼玉の農産物でわすれえてゃならないのは「茶」です。「茶」といえば、先に神奈川で高濃度の放射性物質が検出されて大騒ぎになりましたが、神奈川がダメなら、埼玉が無事であるはずがありません。
全国的に有名な狭山茶ですが、むろん県は放射性物質の検査をしていません。これも結果が怖いからやらないのです。検査をしていなから安全だという。それって犯罪的じゃないのかなあ。お茶はまちがいなくアブナイのです。
もっともわが家は、もともと狭山茶の本場に住みながら、狭山茶を飲んでいません。(笑)なぜか奈良の農家からの茶をとりよせているのです。「アホちゃうか。そちらは狭山茶があるのに、どうして?」と農家の人に不思議がられているしまつです。
ところで放射性物質、国内法的にも国際法的にも、一般人の許容範囲は年間1ミリシーベルト以内です。これでも安全が化学的に保証されているわけではありません。それ以上にすると原子力産業が立ちゆかなくなるから、妥協の産物としてきめられた数値なのです。
しかし、まあ、放射能が悪さをするのは20年~30年後ですから、高齢のぼくらには関係のない話になります。狭山茶を飲み、東北や関東圏の野菜、肉類、三陸の魚をどんどん食ってもいいのです。そしておおいに被爆して、放射能は墓場にもってゆけばよろしい。
ところが将来あるこどもはあきまへん。東北はもちろん関東圏で生産される食品を喰うてはあかんのです。喰うたもの…からだけでなく、肺で吸ったもの、触ったもの、浴びたもの、足し算、かけ算で合わせ技一本、そしてオダブツとなります。
放射性物質の問題は松本市市長の菅谷昭さんがおっしゃるように、つねに最悪の事態を想定して、あの手この手で対策を講じておかなければならない…という話、ますます説得力が出てくるようです。
とにかく、まだまだ突っ込みが足りませんが、今朝の読売新聞(埼玉版)の勇気に、まずは拍手喝采をおくりたいと思います。昨今はファッショさながらの時世になり、東電、原発に批判的な言動をとれば、ただちに俳優やタレント、歌手、コメンテーターなどすべてテレビやラジオの番組から降板させられ、学者やジャーナリストも村八分にされるようですから、よくぞ、ここまで踏み込んでくれたものです。
そんなわけで、朝っぱらから、「なんでやねん」と、後手後手にまわっている県のありようにあきれ、けれども、後手後手にまわっているのは国もしかりだから、この問題はつまるところ自己責任で対処するほかないのかなあ……と、ひとりごちておりました。
Takehisa Fukumoto's essay and column studio
2011-05-20
結果が怖いから、検査してないって? ちょっと待ってんか
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このBlogは小説書きの福本武久が「京おのこ」としてmixiにアップしている日記を再録したものです。
筆者が「見たこと」「聞いたこと」「考えたこと」を備忘録がわりにランダムに書き記してゆきます。自身の書く小説の舞台裏だけでなく、30年間追っかけている「駅伝・マラソン」のこと、仕事をはなれて、「競馬」や「競艇」についてのトピックやエッセイなど……。
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