2008-09-23
からりと晴れて ドライブ日和!

 秋分の日……。おりから今年いちばんの秋日和である。(ただし朝のうちだけだったが……)こんな日はきまって早起きしてしまう。たぶん生来の貧乏性なのだろうな。

 朝のランニングもひときわ心地よかった。真夏から秋口にかけて、暑さののこっていた先週ぐらいまでは、走りが重かった。脚がうごいていなかった。今朝は不思議と躯がかるかった。

 ランニング途上でふとおもいたった。奥多摩あたりまでゆくか。かくして朝食後、これといってあてもなくクルマをだした。青梅から奥多摩へ……。朝はやいせいだろう。渋滞もなかった。奥多摩湖を半分ほど周回して、ライダーたちが群れて走るあの奥多摩周遊道路へ……。

 エアコンをきって、窓をあけて走る。いつも聴いているビーチボーイズのCDのうち、「僕らのカークラブ」をえらんで、おもいきってボリュームを少しあげてみた。まあ、そんなことができるのは山間の道路だけだろうな。

 都民の森の交差点をすこしすぎたあたりからだったろうか。おやっと、おもわず眼をみはるようなドライバーのうしろについた。

 車種はたしか日産のフェアレディー。まるで道路を這っているかのように、なめらかにすべってゆく。ゆっくりはしっているようだが、実際はそうではなくて、気がつくと車間がじりじりとひろがってゆくではないか。

 よくみるとカーブでもほとんどブレーキを踏まない。それでいてセンタラインを踏むこともなく、キッチリをコーナーをすりぬけてゆく。

 ブレーキランプが故障しているのではないか? 最初はそんなうたがいをもったが、そうではなかった。停車すべきところではちゃんととまる。

 ゆっくりとはしっているようだが、のろのろしているというのではなくて、行くべきところではサッ……とすばやく動くのである。

 奥多摩周遊道路から檜原街道へ……。武蔵五日市駅を左手にみて秋川街道へ、カーブの多い峠道はつづいたが、フェアレディー氏のハンドルワークには寸分のゆるぎもなかった。

 ホレボレするような水際だった運転にためいきをつきながら、ぼくはすっかり夢中になっていた。かれのすりぬけた車軌をなぞり、ブレーキをふまないコーナリングを実習していたのである。そして気がつくと、いつしか青梅市内までもどっていた。

 フェアレディー氏とは河辺あたりで別れたが、かれにしてみれば、きっといいめいわくだっただろう。うしろにぴったりつかれて、きっとウザイヤツ……と舌うちしていたにちがいない。



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