TVのクイズ番組なのかバラエティなのか容易に判別つかないが、「ヘキサゴンⅡ」(フジテレビ系)が超人気番組になっているのは、ひとえに島田紳助の演出が絶妙ゆえのことだろう。「なんでも鑑定団」にしても伸助がいなければ、あれほど人気がでなかったにちがいない。
「ヘキサゴンⅡ」の人気を支えているのは男女の「おバカ三人衆」といわれるトリオである。男性版が「羞恥心」、女性版が「Pabo」で、ともに近日中にCDデビューするという。
とにかく男女ともに3人衆が繰り出す珍答、迷答ぶりは、想像を絶するものがあり、司会者の伸助の巧妙なとりさばきによって、爆笑シーンが演出されてゆくのである。そういう意味でもクイズ番組というよりもバラエティといったほうがよかろう。
いまやすっかり主役となった「おバカ3人衆」の奔放自由というか、宇宙人的な迷答の連発に虚をつかれつつも、視聴者はあきれかえって笑い出し、「世にはこんなバカなやつがいるのか」と最後は優越感にひたって溜飲をさげる。そこのところがミソになっており、この「おバカ」といわれる6人を鵜匠のようにあやついっているのが島田紳助なのである。
ところで6人の珍答・迷答ぶりを見て、それをもって、ほんとうの「おバカ」さんだとするのは、いささか早計というものだろう。多少は天然……のところもあるが、これがなかなか油断ならない。要するに「おバカ」を演じている……と観ておいたほうがいいだろう。
たしかにモノを知らないことは事実であろう。しかしモノを知らないことが即バカということにはならない。世の中には知識は豊富だが頭が悪い、つまり「物知りのバカ」「賢いバカ」がいっぱいいる。知識と知恵はちがうのである。
彼ら彼女らは「おバカ」を演じることに徹していて、もはやそれが快感になりつつあるのではないか。そして視聴者のほうは「おバカ」といって揶揄すればするほど、彼ら彼女らは、ますます人気者になってゆく。
そして視聴者は彼ら彼女らのほうがカシコ面している自分たちよりも、はるかにシタタカなのであることを思い知ることになる。
Takehisa Fukumoto's essay and column studio
2008-04-04
「おバカ」をバカにしてはいけない!
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このBlogは小説書きの福本武久が「京おのこ」としてmixiにアップしている日記を再録したものです。
筆者が「見たこと」「聞いたこと」「考えたこと」を備忘録がわりにランダムに書き記してゆきます。自身の書く小説の舞台裏だけでなく、30年間追っかけている「駅伝・マラソン」のこと、仕事をはなれて、「競馬」や「競艇」についてのトピックやエッセイなど……。
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