久しぶりに小倉へ行ってきた。
小倉はモノ書きとして刺激的な町である。森鴎外の史跡があり、松本清張ゆかりの地で記念館もある。もう少し範囲をひろげれば火野葦平、林芙美子……。
残念ながらとんぼ返りだから、街の散策はできなかった。唯一。小倉らしさを感じたものといえば祇園太鼓、無法松である。
小倉駅のバスセンター前でリムジンバスを降りて、駅に向かう歩道橋をかけあがると、そこに「祇園太鼓の象」があった。そして無法松の象は北口にあった。
♪ 小倉生まれで玄海育ち口も荒いが気も荒い ・・・ ♪
映画「無法松の一生」、原作は岩下俊作の『富島松五郎傳』である。
北九州地方は数日前から、過去に例のない豪雨にみまわれ、この日も久留米や柳川は避難命令が出るほどだったというが、どういうわけか小倉は曇天で、ときおり弱い雨がくるていどだった。
宇都宮につづいて「八重を語る」旅である。小倉駅からほど近い西日本総合展示場の新館に向かったが、あまりにも広大で会場はどこなのかわからない。うろちょろしているうちに、三葉のクローバーの小旗をもつ案内のお兄さんをみつけて、やっと、ひと安心で……。
同志社キャンパスフェスタ、わが母校の広報キャンペーンというべきか。今年も全国7個所でおこなわれる。各地の校友、在校生の父母、来春の受験予備軍の高校生などがやってくる。
大学の近況報告、講演会、大学紹介、ミニ講義、入試説明、入試・学生生活相談コーナーなどがあって、学長も顔を出すから全学あげてのイベントだ。こんな年中行事があろうとはうかつにも知らなかった。
もっぱら講演会場にいたので、他のイベント会場のようすはわからないが、総勢500人が参加したという。高校生は篤志家の校友が駆け回って集めてきたという。地方へ行くほど校友会の母校への愛惜が深い。最後の交流交歓会で、いろんな校友に人達と話していて、そのことを痛感した。
八重について、大勢のまえで、お話しするのは、今年で3度目である。いつも思うのだが、「書く」ことはなんどでも書き直しができるが、「話し」はやり直しが利かない。モノ書きというよりも小生は貪欲だから、あれも、これも話そうとする。あれもこれも話したいのである。その結果、最後は時間に追われてしまう。同じ事を三度も繰り返してしまっては、自分ながらアホというほかない。
話人間でない小生は、だいたい40分ぐらい話をすれば、声のスタミナが切れてしまい、あとは、割れた声をなだめ、目を白黒させての綱渡りになるが、今回は予定時間を10分オーバーして70分でも十分持ちこたえた。これは収穫というべきだろう。
お話の旅は今年から来年にかけて、いまの段階で、あと6回も残っている。どうやら一発勝負のおもしろさを知らないままに終わってしまいそうである。ま、モノ書きなのだからそれでいいだろう。
Takehisa Fukumoto's essay and column studio
2012-07-15
小倉そして無法松!
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このBlogは小説書きの福本武久が「京おのこ」としてmixiにアップしている日記を再録したものです。
筆者が「見たこと」「聞いたこと」「考えたこと」を備忘録がわりにランダムに書き記してゆきます。自身の書く小説の舞台裏だけでなく、30年間追っかけている「駅伝・マラソン」のこと、仕事をはなれて、「競馬」や「競艇」についてのトピックやエッセイなど……。
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