奇妙な現象がおこっている。
小生の著者に、山本八重(のちの新島八重)を主人公にした小説が2冊ある。『会津おんな戦記』(筑摩書房刊)と『新島襄とその妻』である。
後者は朝日放送創立35周年記念番組としてテレビドラマ化された作品でもある。ドラマスペシャル「女のたたかいー会津から京都へ」として1985年11月1日放映されている。2時間20分におよぶという現在では考えられない長時間番組であった。(http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-22308)
前者は八重の会津時代を描いたもの、後者は八重が兄をたよって京都にやってきて新島襄と結婚、ともに歩むものがたりである。
むろん両著ともに絶版になっており、街の書店で新本を入手することはできなくなっている。著者の小生も、気がついたら控えだけになってしまっていた。
市場にはなくても、著者のもとになら本があるだろう……と、ときおりたずねてくださる奇特な読者から問い合わせをうけるのだが、そんなときはAmazonの古本販売サイト「マーケットプレース」でどうぞ……と、ご案内することにしている。
同書はテレビドラマにもなり、わりあいよく出た本なので、マーケットプレイスには常時10冊以上ならんでいた。状態の良悪におうじて600円~1000円前後というのが相場であった。何を隠そう。著者の小生も手もとに本がなくなって2冊ばかり買ったことがあるのである。
ところが、昨日の夜、のぞいてみると、高価なコレクター向けの品(おそらく状態がすこぶるいいのだろう)の2冊(なんと2,970円と高い!)をのぞいて、すべて売り切れてしまっているではないか。
新島八重が13年の大河ドラマでとりあげられるという新聞報道(6/12)がなされてから、にわかに、なくなってしまったらしいのである。メディアの力とはすごいものだとあらためて痛感させられた。
古書サイトのインターネットサイト「日本の古本屋」で検索すると『新島襄とその妻』のほうは8点がラインナップされており、状態の良し悪しで600円から2,500円と、やはり高い品しかのこっていない。
もうひとつ「古書ー紫式部」では3冊がヒットした。これら11冊も早晩、姿を消してしまうことだろう。
『会津おんな戦記』のほうは、もはやインターネットによる古書も品切れになってしまっているのを知って唖然とした。
何とかしてください……なんて、熱心な読者に泣きつかれたらどうしようか。困ったことになったなあ……と、なんとも複雑な思いをしている。(笑)
こんなとき、襄先生なら、どんなふうにお答えになるのだろうか。いぢととっくり訊いてみたいものである。
Takehisa Fukumoto's essay and column studio
2011-06-15
新島八重さん、本がなくなりそうです!
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このBlogは小説書きの福本武久が「京おのこ」としてmixiにアップしている日記を再録したものです。
筆者が「見たこと」「聞いたこと」「考えたこと」を備忘録がわりにランダムに書き記してゆきます。自身の書く小説の舞台裏だけでなく、30年間追っかけている「駅伝・マラソン」のこと、仕事をはなれて、「競馬」や「競艇」についてのトピックやエッセイなど……。
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