人間というものはケッタイなものでんなあ。自分ながらつくづく呆れてしまいますヮ。
性懲りもなくまたテニスをはじめてしまいました。2年まえの暮れにふくらはぎの筋肉が断裂して、およそ1カ月も苦しんだのに……です。喉もとすぎれば、ナンとやら……といいますが、まさにそれです。
しかも、今回はちゃんとしたテニススクールに通いはじめたというからあきれるじゃありませんか。週1回、埼玉・西武球場のとなりにある西武ドームテニススクールに足を運んでいます。クルマなら自家からわずか15分のところにあります。
それにしても……。西武球場前の界隈、いまやゲームのないときは猫の子一匹とおらない。狭山不動尊や山口観音の門前にある商店街もシャッター通りになっています。なんともさびれた街になってしまいました。かつてはユネスコ村なんかもあって、けっこうにぎわっていましたが……。
2年ものあいだ物置に放り込んだままになっているラケットは、むろん、そのままでは使い物になりませんでした。張り替え屋さん、どこかにないかいな。まずはハローページをめくって張り替え屋さん探しからはじまりました。
ようやくみつけたストリングスの専門店、気のよさそうなオヤジさん、客の年齢をよみとっての提案でしょう。テンションを45ポンドにせよ……というではありませんか。いままでは55ポンドだったので、しばし歯切れわるく逡巡していると「そんなもんでいいんですよ」と……。せっかくのアドバイスだからとおっしゃるとおりにしました。(これが、のちにとんでもないことになる)
とりあえず基礎からやりまおす。入門クラスからスタートすることにしましたが、入門クラスとはいえズブの初心者なんてひとりもいません。みんな、そこそこやっている人たちばかりなのです。コーチは若くて明るい気質のおニイちゃん……。
フォア、バックのストローク練習から始まり、ボレー、サーブ練習、最後はダブルスの試合……。初日にこれだけこなすのですから、とても「入門」なんかではありません。
ストローク練習しているうちに右手の肘から下あたりの筋肉が痛みはじめました。インパクトの瞬間にラケットを握ると鋭い痛みが走ります。ようするに「テニス・エルボー」、テニス肘といわれる病ににかかってしまったというわけです。
コーチに「腕が痛い」というと、彼はどこかからラケットをもってきて「それじゃ、これでやってみてください」
言われたとおりに、そのラケットをつかってみると、なるほどインパクトの衝撃で、その瞬間だけ痛みがあるものの振り抜くことができる。軽くボールに合わせただけで、スイートスポットにさえ当たればちゃんと相手コートにとんでゆくのです。
コーチが渡してくれたのはウイルソンの新しい厚ラケというやつでした。ぼくが使っているものより軽くて、ボールの弾みがはるかにいいのです。不思議なことにボレーが、サーブがビシバシ決まるのです。すっかり腕が痛いのも忘れてしまいました。
どうやら、ストリングスのオヤジさんの口車にのって、ガットを緩くした分だけ、衝撃が腕のほうにきて、それで痛みはじめたというのが真相のようです。昔はそれでも何ともなかったでしょうが、寄る年波で躰にも微妙な変化があらわれていることの証しというものでしょう。 人間の躰というのはなんとも微妙なものです。
年齢とともに用具もちゃんと年相応にすべきだという警鐘とうけとめて、思いきってラケットを新調することにしました。新しいパートナーはWILSON(ウィルソン) K ONE FX 122 というヤツです。
重量はなんと245グラム、ガットを張っても270グラムぐらいです。ちなみに前につかっていたラケットを計量してみると390グラムもありました。なんと3分の1も軽くなっているのです。 テニスの用具も技術革新がすすんでいるようで、遅れているのは己であることを思い知りました。
とにかくウデは怪しげなのだから、せめてラケットぐらいは一流でなくては……という思いで買ったのだから、それなりのシゴトをしてもらわなくてはな……と、新参のウイルソンに言い聞かせております。はい。
Takehisa Fukumoto's essay and column studio
2009-11-06
テニス・エルボー
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このBlogは小説書きの福本武久が「京おのこ」としてmixiにアップしている日記を再録したものです。
筆者が「見たこと」「聞いたこと」「考えたこと」を備忘録がわりにランダムに書き記してゆきます。自身の書く小説の舞台裏だけでなく、30年間追っかけている「駅伝・マラソン」のこと、仕事をはなれて、「競馬」や「競艇」についてのトピックやエッセイなど……。
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