2008-08-02
ミナト・ヨコハマで国際女子マラソン!

 「東京国際女子マラソン」が来年から、「横浜国際女子マラソン」として衣替えして再スタートすることになった。(1日、日本陸連発表)

 同マラソンは世界ではじめて国際陸上競技連盟(IAAF)公認の女性限定マラソンとして1979年11月にスタート、今年で30回目を迎えるという伝統ある国際大会である。ところが2007年に東京マラソンがはじまると、日本陸連や東京都は、男子の東京国際マラソンともども統合して「東京マラソン」に一本化しようと考えた。

 男子の東京国際マラソンはふたつ返事ですぐにおうじたが、女子のほうはかんたんに首をふらなかった。世界初の国際陸連公認の女子マラソン……というプライドがゆるさなかったのである。

 そんなわけで当面は「東京国際女子マラソン」として別個に開催されてきた。当初はスポンサーの朝日新聞もかなり突っ張っていた。ところが2007年12月に突如として、同大会を今年の30回大会でおしまいにする……と発表した。心変わりの原因は、警視庁から「年2回もマラソンの警備なんかやってられるかい!」と引導をわたされたせいだという。(深読みすれば、何かと大言壮語するあの知事が蔭で糸をひいている? ということも……)

 かくして伝統ある大会も宙ぶらりんになっていた。今回の陸連発表では、そっくりヨコすべりのかたちで横浜で開催されることになったというわけである。

 そのかわり……というわけでもないが、毎年2月におこなわれてきた「横浜国際女子駅伝」は2009年を最後に廃止になる。

 駅伝シーズンの最後をかざる「横浜国際女子駅伝」は、毎年2月の第4日曜日、ミナト・ヨコハマの美しい風景を背景にして女子選手たちが華やかに駈けぬける。観るレースとしてはなかなかオシャレな大会である。

 国際女子駅伝としては最も伝統ある大会で、第1回は1983年におこなわれ、ソビエトが優勝している。日本女子の長距離が、弱くて世界レベルにほど遠かったころ、世界のトップを招いて、長距離・マラソンの強化をしようともくろんだ。そういう位置づけの大会だった。

 世界各国のナショナルチームと日本のナショナルチーム、横浜、さらには全国7つの地域選抜で覇を争う……。当初は世界各国からナショナルチームが数多くやってきたが、最近では5~6チームになってしまい。全体でも出場14~15チームはなってしまっているのが現状で、いまひとつもりあがりを欠いている。

 日本チームも世界のトップに胸を借りる……という意気込んでいたころにくらべて、いまひとつ気合いが入らない。ナショナルチームとはいえ、いつしかベストの布陣ではなく、いつしか国際親善だかが眼目の大会になってしまった。

 ぼくの「駅伝時評」では、このところ毎年、横浜国際女子駅伝の開催意図について疑問をなげかけてきた。  なぜなのか? 日本女子が、いまやオリンピックマラソンで3連覇をねらうほどになった。たくましくなった。もはや世界のトップと肩をならべるほどになり、胸を借りる必要なんかなくなってしまった。原因はそんなところにある。

 国際女子駅伝の衰退の原因はそんなところにある。伝統ある駅伝大会がなくなるのは、ちょっぴり心残りだが、もはや役割をおえたのだから、ま、いたしかたがないだろう。



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