2008-04-10
聖火リレーと北京五輪!

 
 北京五輪の聖火リレーはいぜんとして混乱がつづいている。9日にはサンフランシスコを終えたことになっているが、予定のコースを何の予告もなく変更された。だれも見ていない裏街道を走ってお終いだという。実質的に非公開である。いったい何のための聖火リレーなのだろうか?
 
 騒ぎがおおきくなればなるほど、各地で示威行動する亡命チベット人たちの思うツボになる。今後はニューデリー、ジャカルタ、キャンベラなどを経て26日に長野を通過、29日のホーチミンから5月2日には香港へ移動、中国の国内ルートがスタートする。ニューデリーなどではトラブルが起こりかねない。中国ルートではチベットそのものをも通過するのだが、デモや抗議行動が絶対におきないとはいえない。唯一安心できるのは平壌ぐらいだろう。

 現在の聖火リレーをはじめたのは1936年のベルリンオリンピックのナチスである。1930年代に台頭したナチのドイツが国威発揚のために、およそ3,000人のランナーを動員して聖火をオリンピアからベルリンまで運んだ。

 現在の中国は1930年代のナチ、ドイツと同じような国家だとはいうつもりはない。けれどもあのころのドイツと同じように、成長いちじるしい超大国となりつつある国であることはたしかである。近い将来は世界最大の経済大国になるやもしれないのである。

 だがそんな中国は、あ~ら不思議、いまだ一党独裁の国家なのである。そこに中国のかかえるおおきな矛盾がある。今回のチベット問題は、いわば尿路に出てきた結石のようなものである。

 皮肉にも新しい中国を祝うセレモニーになるはずの北京五輪が、中国政府に対する抗議行動の標的になってしまった。チベットの反政府運動と、それに連動した世界各地での抗議行動によって、中国政府のもくろみは無惨にも砕け散ってしまったのである。

 オリンピックなんてやらなければよかった! いままさに、中国はマジで後悔し始めているのではないだろうか。  



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